2020年度研修会・勉強会情報は以下に掲載しています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書が厚生労働省Webサイトにて公開されました。後々書籍版も発売されると思いますが、今のうちに総論部分を中心に読み込んでおきましょう。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書が非公開となってしまいました……。悲しいですが、2015年版を改めて読み返しつつ、再アップロードを待ちましょう(泣)
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書が再公開されました。7ページもの正誤表も掲載されています。編纂に携わられた先生方にあらためて感謝ですね。書籍版も楽しみです。
厚生労働省Webサイトにて、「日本人の食事摂取基準(2020年版)スライド集」が公開されました。PDFではなく、パワーポイントでの公開はありがたいですね。
Web担当の追加コメント(2019.12)
どこが変わったかだけでなく、変わらない部分にも目を向けよう!
「日本人の食事摂取基準」(Dietary Reference Intakes for Japanese)は5年ごとに改定が行われる食のガイドラインです。今回の改定でも、これまでの学術論文に加え、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」以降に公表された学術論文を含めて新たに精査され、エネルギーや各種栄養素について、数値基準や区分等が見直されたり、新設されたりするなど、種々のアップデートが行われています(数値だけでなく、対象とする個人及び集団の範囲等も見直されています)。そのため、一般的には、「改定に伴いどこが新しくなったのか?」に注目が集まりがちだと思います。実際、各種研修会も「改定のポイント」がテーマの中心になることが多いようで、変更点を追うだけでも手いっぱいになってしまいがちです。しかしながら私は、変わらない部分・基礎こそが大切だと考えており、この部分があやふやなまま、変更点だけを積み重ねていくのはどうだろうかと考えています。2019年9月、11月と、佐々木敏先生が講師をされていた研修会に参加してきましたが、この点をとくに強調されている印象を持ちました。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の参考文献数は1,857報で、2020年版はこれをさらに超えてくるものと思われます。この文献数には系統的レビューやメタ解析も含まれているため、実質的な参考文献数はさらに多くなります。これら1つ1つの文献は、現場で働かれている先生方や研究者の方々、そして何より調査・研究に参加していただいた方々の善意で成り立っており、それらの集大成である「日本人の食事摂取基準」は、まさに、管理栄養士・栄養士が仕事をしていくうえで、何よりも大切にすべきもの(指針)といえると思います。「日本人の食事摂取基準」は決して「ただの数値」ではないので、管理栄養士・栄養士は栄養学の専門家として、本文を通読し、その理解に努め、それぞれの対象者や集団の実情と照らし合わせながら、活用していくべきだと考えています。管理栄養士・栄養士一人ひとりが、千を超える参考文献一つひとつに漏れなく目を通すことは、それにかかりうる途方も無い時間を考えるとほぼほぼ不可能なことで、そして必要のないことだと思いますが、それに比べたら、本文を読み込むことは無理ではないはずです。変わった部分のみに軽く目を通して、表と脚注の情報だけで活用する。これは絶対にあってはならないことだと思います。
関連書籍
食事摂取基準入門―そのこころを読む
文責:青木慎悟(管理栄養士)